2005年12月17日

どんぐりとやまねこ

阿佐ヶ谷の、巻き上がっていく土の貝がらのような建物に、
天井の光の良く入るテラスのあるレストランがある。
ぐる。ぐる。ぐる。とのぼっていく。
土壁がスパッと消えて、丸い天窓のあるガラスに囲まれたレストラン。
奥様方が、昼間からグラスワインなど飲みながら、
優雅にお食事&談笑中。
この町らしい風景かもしれない。

きれいな、やさしい味のポタージュとしっかりした味の豚肉のソテーを食べた。

映画の話。
日本の古い映画はあまり見ていない。
学生の時に、東京12チャンネルでひまにあかせて見たくらいか。
石原裕次郎や小林旭はたくさん見た。
わたしがおとなになっても映画に出てくるようなグランドキャバレーは残っていて、
厚い厚い絨毯を歩いてひっくり返りそうになったことがある。
そういえばおじがなにやら映画に出ていたような。
家に帰って検索すると、まとまりのよくない完成されてない作品だという批評がある。
監督が最近亡くなったらしく、追悼で池袋で先月特集をしていたらしい。
DVDが出ているらしい。

財布の中に、お金が入っていなかった。
ムスメの月謝の袋から一枚抜いて、食事代を払う。
夕方には持たせないといけない。うは。
年上のおばさんらしくふるまおうと思っていたのに、失敗したようだ。

山猫軒は、同じ宮沢賢治でも「注文の多い料理店」だろうが、
わたしは「どんぐりと山ねこ」が好きだ。
価値観をひっくり返されてとまどうどんぐりが好き。
わたわたとしている山猫も好き。
どこからか、ふしぎなハガキが届かないものだろうか。

レストランの名前は山猫軒という。

投稿者 りりこ : 2005年12月17日 00:10 | トラックバック
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