2006年05月26日
祖父のこと
わたしの祖父は建築家だった。
どんな仕事をしていたかほとんど知らない。
わたしにとってはやたら早寝の変わった大人だった。
9時過ぎになると寝てしまう。朝は5時前に起きていたらしい。
なぜ不思議だったかというと、
その頃祖母は4時過ぎに寝て昼ごろまで寝ている人だったから。
芸能人の家族という雰囲気の家の中で、祖父だけが勤め人のイメージだった。
子供の頃、銀座にあった(?多分)事務所に父に連れられて行き、
クリスマスだったのだろう、
銀色の厚紙でできたキャンディーブーツを買ってもらったこと、
一度、不二家のマシュマロをもらってすごくよろこんで食べたら
その後祖父の家に連れられて行くたびに買ってあったこと、
ガチャンガラガラと手で開けるエレベーターが
祖父のいる事務所のビルにあったこと、
いつもは祖母の存在に押されている祖父が、
事務所ですごく大事にされていたこと、
本棚から本を借りて読んだこと
波濤を越えて?という題名だったか、
コドモでも読めそうなものを探してくれた。
そのくらいしか記憶がない。
祖父は、わたしが中学生になった頃、事務所で倒れて
自宅で療養を続けてその後亡くなった。
急に祖父のことを考え始めたのは、GWに母のところへ行き、
引き出しを開けたら勲章があって、ムスメがやたらと興味を持ったから。
勲章なんて、アニメでしか見たことないのだろう。
何で叙勲したのかは知らないのだが
ふと思いついて検索したら、1929年(!)に本を出しているらしい。
古すぎて、多分わたしがこの先目にすることはないだろう。
もちろん、見てもわからないだろうが。
一中、一高、帝大の権威が役に立った時代は、遥か昔のことだ。
祖父の名前は、中山元晴。わたしは祖父のことをほとんど知らない。
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