2007年05月17日
違ってますけど
最近気になって仕方ないのが「魅せる」。
最初にこの魅せるを見たのはデパートのコピーで、
夏服だか水着だかというシチュエーションだった。
で、コピーライターさん、うまいことやるなぁと思ったのだ。
「魅惑する」と「見せる」をうまく引っ掛けたと思った。
ところが、この「魅せる」、けっこうなオジサンの
仕事上の文書にも出てくるようになってしまった。
これって、間違いだよね。
もともとは「魅する」のはずなのに、「魅せる」。
恥ずかしくないですか。
それとももう市民権を得たのだろうか。
ネット上にはゴロゴロ転がっている。
実は、パソコンの辞書に、ハナっから「魅せる」が入っている。
仕事の話の最中にいきなりバラの花束渡されるような気分。
「ココ」だけ色がピンク色な感じ。
市民権を得てしまえば、わたしがどんなに居心地悪かろうと
それはそれでアリなのが言葉というものだろう。
でも、「ヤバくね?」と口にする中年男は
仕事上の文書には「ヤバくならないうちに対処したい」とは書かないだろう。
相変わらず、「ら抜き言葉」が居心地悪いわたしとしては
この「魅せる」は勘弁してほしいのだが
書いたボディコピーをクライアント指定で「魅せる」とされてしまうとツライ。
日本語として間違ってます!と抵抗するのだが、
制作会社に却下されて傷ついたり・・・。
お願い、「魅せる」に直されたところを「魅了する」にさせて!
と思いつつもうだいぶ経ったから、やっぱりわたしが時代遅れなんだろうか。
言葉おじさん、オシエテーー!
言葉おじさんではありませんが。
魅せるは、今や変換文字の候補に出てきますよね。
おそらく、なし崩し的に市民権を持ったのでしょう。
僕も一方で言葉をぐずぐずにしている側で仕事をしていますが、
古くからある言葉の深い味わいも大好きです。
こだわりは捨てたくないですね。
照れ臭い言葉は、使いたくないですから。
魅せるを使いたいというクライアントは、
厚顔無恥かただの無知なのでしょう。
センスが問われるのに、それに気づかないのですから。
わぁい、言葉のお仕事のヒトだ!
なし崩しは仕方ないと思いつつ、
「魅する」が消えてなくなるもしくは間違いとされるのがイヤ。
きょうもすごいのと出会いましたよ。
「お子さま連れでエスカレーターにお乗りになる際には、
お子様のお手をお放しになったりされませんよう
ご注意願います」
すごーい・・・・(脱力)皇族扱いでしょうか。