2006年03月21日
小林順子さんの服
阿佐ヶ谷のスペース煌翔で、小林順子展をやっている。
アジアの布を使って服を作る人。
アジアの布というと、東南アジアを思うことが多い。小林さんの服にもベトナムやインドの布が使われている。
特徴的なのは韓国の布。
染色をしていた小林さんが魅入られたのは韓国の墨染めの僧衣。
日本の墨染めは真っ黒だけれど、韓国の墨染めはグレー
。
グレーを染め重ねることで薄いグレーや濃いグレーを作り出している。
麻やコットン、シルク。
ピンタックをとったり、ヌビ(刺し子)を施したりしたジャケットやコート。
ほかにも、自然の素材で染織された布に、刺し子やキルト、
パッチワークやボタンのデコレーションを施して、シンプルなシルエットの服が作られている。
着て、動くことで美しさが生まれてくるような服だ。
気に入っているのがボタン。どれも貝を使ったボタンで、
彫刻が施されていたり、ちょっと変わった形だったり、すごくこだわりを感じる。
ボタンの彫刻は、珊瑚や翡翠の細工と同じように、
貝を掘り出していくことで作られている。
いまや、彫刻をしてくれる職人も減っているらしい。
会場を彩るのは風に揺られ、光を透かすポジャギ。
柿渋染めや藍のもの、墨染めもあるけれど、白が美しい。
壁にできたポジャギの影が美しくて見とれた。
会場も、作品も、静かなのだけれど、人が動きを加え、躍動感が出る。
そこに関わることで、違った美しさが引き出される。
関わってみたくなる。
そして・・・縫い目フェチ?のわたしとしては、きちっとした仕立てがこれまたうれしいのだ。
小林順子展 スペース煌翔 24日まで。
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