2006年05月08日

住宅展示場のような

八ヶ岳はリゾートラッシュで、
それまで畑の間の道でしかなかったところにたくさんの別荘が並ぶ。
地元の家は、広い敷地を持っていて、隣家との距離はそこそこ遠いのだが
「開発された別荘地」は、道沿いに家が並ぶ。路地ができて奥にも家が建つ。
17年前に永住転地した実家も別荘地ではあるけれど、多少はゆとりがある。
今はさらに敷地が細切れになっているようだ。
近くの小道も、すっかり住宅地のようになった。
別荘となると、日常を離れて、オーナーの趣味が全開になっている。
一本の道沿いに、アルプスの石造り風、イギリスの田舎風、建売住宅風、山小屋風、
日本の田舎家風、角ログハウス、丸太ログハウス、キーウェスト風、はてはフラードーム。
まるで住宅展示場だ。
それぞれに庭仕事の趣味もいろいろで、芝生の庭、菜園、
イングリッシュガーデン、野原風、花壇、花木と延びた雑草、バラ園とさまざま。
なんとも珍妙な具合だが、これが別荘地というものだろうか。
不思議な箱庭。地域の美観というのはどうなるのだろう。

建物は、そこそこ統一的な外観で、内部に個人の生活がある、
そういう開発ができないものか。
個人の家と街並み、個人の趣味と生活。
それらは両立できるものだと思うのだが。

そしてわたしは、都会の集合住宅と個人の生活について考える。
同じ間取りの住宅で、それぞれに違った暮らし。
生活の変化に応じて、間取り自体は変えられなくても
建具や家具の使い方で家の使い勝手は変えられる。
風通しのいい家、倉庫のような家、家中が書斎のような家。
暮らしの入れ物は、風土に合い、景観に合い、
地域を乱さないものの方がよいのではないか。
考えさせられるリゾート地の風景だった。

投稿者 りりこ : 2006年05月08日 09:59
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