2006年11月10日
森の中の少女に返る
阿佐ヶ谷のギャラリーで、田中ルミさんの「森の糸」を観ました。
ギャラリーの壁面ところせましと並んだ小品。
ふわり、とろりとしたやさしい線なのに、チクチク、ブツブツと残る針と糸のあと。
無邪気に小動物を切り開いては縫い合わせて遊ぶ少女のようで、
心の不安の鍵穴にカチリとなにか差し込まれたようなかすかな恐怖感。
いつの間にか、小さい輪郭はたしかに椅子なのに、
小さくキーキーと声を出しそうに見えてきます。
思春期の少女が作り出す世界のようなのに、リア
ルライフでは「おばーちゃん」だなんて、
ルミさんって不思議。
オトコの人には、この世界は怖いだろうなぁ。
そして、オンナの人なら、きっと自分の底にあるトロリとしたなにか粘るようなモノを
引っ張り出されるような気持ちになるに違いありません。
田中ルミ展「森の糸」
2006年11月8日(水)~22日(水)火休
阿佐ヶ谷 スペース煌翔 03-3393-6337
今回は、同じ文章をメルマガにも載せます。
両方見てしまった方、ごめんなさい。
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